Adrenaline Addiction

東京湾のLTアジから小笠原の遠征ジギングまで。

序盤戦備忘録

 さて、早速だが4年生になってしまった。2016年4月に大学に入学し、「ツタが枯れる前に恋人が出来なければもう駄目」というジンクス通り、まさに学内では灰色の生活(「茶色いおかずしか入ってない弁当」とも呼ぶ。断じて崎陽軒シウマイ弁当の事ではない)を送っていた私、昨年の4月に3年になり、恐怖のあまりヤケ酒に耽った私もついに4年生である。

 

 では何がその先に待ち構えていたのか。もちろん就活である。

 

 

 

 しかしこの就活、たった2週間やっただけだが大変に骨が折れる代物だという事を身に染みて感じている。

 

まず一つ目に面倒なのが説明会。リクナビやらマイナビやらの「悪の枢軸」を使ってポチポチ予約し、スーツを着込んでセコセコと参加するのだが、それ自体が大変な苦痛だ。まず、千葉の奥地から定期を使って京成線で1時間半かけて都内に出るだけでも苦痛なのに、大学生活を送るにあたり全く縁のない三田やら丸の内やらの会場に地図を見ながら自費で赴かなければならない。

 

 これはもう事実上のセレクションであろう。TOKIOエスタブリッシュメントじゃないと三田の同じような見た目のビルヂングの中から目当てのビルヂングを探すことは不可能であるし、そもそも三田に自費では来れない。千葉のファーマーの子孫や茨城のヤンキーの息子などは最初からお呼びではないのである。

もう家が都内以外のやつは1次面接免除してほしい。参加のハードルの高さが違う。

 

 さて、こうしたハードルを乗り越え、まさに決死の思いで参加する説明会だが、することと言えば、採用担当者の語る内容を写経のようにメモに取るだけ。もううんざりである。

 内容に関しても実力主義がなんだ、グローバルがどうだ、自己成長がどうだなどとどこの会社も判を押したように同じことを言っている。ここまでくると、年功序列でドメスティック、成長がなくてもやっていける会社はすなわち「悪」であり、「一流」企業ではないみたいである。

 また、学生も学生でそういうキラキラワードをチヤホヤし、「早く海外に行きたい」だの「実力主義は素晴らしい」なんていうモノだから自分と周囲のギャップに頭が痛くなる。

 

 お前らそんなにアメリカ行きたいか?大麻とか吸ってレイヴとか行きたい感じなのか???

 

 稀に企業によっては説明会に付随して座談会を開いてくれることもあるが、これもまたくせ者だ。毎回どこの学生も同じような質問をしているし、それに帰ってくる答えもほとんど同じ。

特に「仕事とプライベートの両立」に関する質問とその答えなどはもはや様式美だ。仮にも社員が対外的に「両立できない」なんていうわけないでしょうが…。

 

 しかし、こういう所にも恐ろしく頭のいい学生というのは存在する。特に捻った質問をするわけではないが、とにかく聞き方が上手いのだ。だから、社員もつい内情について「口を滑らす」。そういうのを目の当たりにすると朝青龍じゃないけど「やるな」って思うね。

 

 そしてもう一つ面倒なのは履歴書&ES。

 自分にとってはむしろこちらの方が辛い。

 そもそも、小学校時代いくら丁寧に書いても「字が汚い」と糾弾され続けてきた私である。「きれいな字を書く事」はもはや苦行以外の何物でもない。数時間かけて1枚書いても、そこに横たわる履歴書の文字はクレタ島の線文字Aとインダス文字の混在した「なにか」である。きっと採用担当には解読不能であろう。

 

 ただ、もしかしたら「読めないから会って話してみよう」と考える会社もあるかもしれない。それだったら儲けものだ。多分ないと思うが…。

 

 内容を考えるのも難しい。ゼミの内容ならまだしも、自己PRを考えていると、「自分は何者なのか」という問いに突き当たり、ウンウン悩み続けていると本当に夜が明けているし、志望動機を考えてみても、会社で働く自分の姿を考える度に気が狂いそうになる。

ついでに学生時代に力を入れた事ってなんだ?競馬って書けばいいか…?

 

なまじ今までの20年強がトントン拍子で進んできたため、いままで考えもしなかった問いに戸惑う毎日である。

 

 

 

俺は、何者なんだ。

 

アイデンティティの模索の季節が大学4年にして、到来している。

 

(つーか、人事採用さんは「嘘をついてたらわかる」なんて豪語するくらいならESなんて書かせるなよ。)