既に書くのを忘れかけてたタイ釣行記3
流石に行ってから1年くらい経った釣行の記事を書くのは気が引けるが、投げっぱなしもよくないのでとりあえず最後まで書いてみようと思う。
大丈夫、釣りの事なら昔のことでも覚えているから……。
4日目、前夜のアツい戦いを経て我々の釣欲は回復。
この日はチャチュンサオ県のPILOT111へ。
ここは場内に魚種別に分かれた複数の池があり、うまくいけば1日でタイの釣り堀のゲームフィッシュの大体が釣れてしまう、なんとも面白い管理釣り場。もちろんタイの釣り堀らしく、食堂も完備されており、釣りに飽きたら飯をかっ喰らってビールを飲んで即沈没可能な仕様になっている。
まずは朝イチ、タイでチャドーと呼ばれる雷魚の仲間、ジャイアントスネークヘッドが放流されている池へ……。
エビ釣り堀を除けばここまでほぼパーフェクトゲームといっていい釣りっぷりの我々。正直、この釣り堀をナメていた。
早く気づくべきだったのだ。この釣り堀、今まで行ったどの釣り堀よりも他の釣り客の数が多いという事に……。
開始30分、完全ノーバイト。
周りも釣れている様子はないので普段の日本の釣り場の感覚なら焦りを覚えるような状況ではないのだが、「タイの釣り堀=パラダイス」だと思い込んでいたのでにわかに焦り始める。
そこで、訪タイ前「ぜって~につかわね~だろ~な~~~」と思いながらも入れてきた小型のバイブレーションを投入。
軽くキャストしてリフトアンドフォールさせてみる。
すると……
釣れた。グフフ。
(ぶっちゃけ、雷魚系の釣り方としては邪道も邪道だけど、この日トップで釣ってる人は誰もいなかったので許してください。雷魚フリークの皆様。)
サイズもそこまで大きくないし、チャド―自体大して引く魚ってわけではないけど、初めての魚なのでやっぱりうれしいね~~~~~。
まぁ、初めて釣った魚とはいえ、パット見たところ日本の雷魚、いわゆるタイワンドジョウと体色くらいしか変わらないが、紫ってだけでなんとも「怪魚」感が出ていてカッコいい。この魚は地域によって体色が違っていて、黒から紫、青、珍しい所だとコバルトブルーのような体色の個体も存在する。色違いポケモンみたいな魚だ。
喜びもつかの間、その後は再び沈黙……
手を変え品を変え、いろいろやってみるものの、全然ダメ……
(小さいソリッドのバイブレーションを低速巻きしてやるとたま~~~に当たったけど)
しかし、この後エサ撒きタイムが始まると状況が一変。エサ撒いてる所に大量のチャドーが集まり、あまつさえボイル(水面での捕食行動)なんかしている。
こうなると、もう簡単だ。
浮いてるエサののサイズにルアーのサイズを落としてやればいい……
ジャッカルのベビーギロンだったかな??セコイ釣りだぜ。
そんなこんなで、このあと2本くらい追加したところで、友人が隣の池でどデカいバラマンディを釣ってるのが見えたのでチャドー池を後に。
さて、友人のバラマンディの物持ち写真を撮り終え、バラマンディ欲がふつふつと湧いてきた私はこの釣り堀で一番難しいターゲット、バラマンディとついに対峙することになった。
この釣り堀のバラマンディ、びっくりするくらい反応が悪いのである。
当然、魚の量も養殖池とは違うのだろうが、他の釣り人のアプローチを散々受けてきたこちらの釣り堀のバラマンディは2日くらい前に養殖池でアホほど釣った魚とは思えないシビアさ。養殖池で爆発したルアーを投げても全然釣れない。
しかし、池の端っこにいる釣り人だけは、なぜか定期的にバラマンディをキャッチしている。
こういうとき、やることは一つ。
近くを通りがかってルアーを盗み見る。
もうセコイとかセコくないとか、どうでもいい。タイくんだりまできて「マイゲーム」を貫き通すほど、私の心は強くないのだ。(まぁ、大体ロッドワークでどういうルアーを使ってるのかはわかってたけど)
んで、先行者がいなくなったタイミングで
こう。
答えはシャッドのジャーキングを「ある一か所で」やる。
それだけでした。シャッドのジャーキングは別に当たり前のテクニックだし、この池でも投入していたが、どうやらシャッドのジャーキングを「先行者の立ってた場所で」するのがカギだったらしい。ここが回遊コースだか捕食ポイントになってるらしく、このポイント以外だと同じことしても釣れなかったのだから。
このあと5匹くらい釣ったかな。ハイ、バラマンディ攻略完了です。
最後はMix池へ。ここはナマズやらパーカーホやらが入ってるとかいうチート池。(パーカーホって草食っぽいけどルアー食うの??鯉の仲間だから食うのか?)
結構魚の密度は濃く、ルアーを巻いてるとゴツゴツと魚体にルアーが当たるのを感じる。だから、この池で手っ取り早く魚の引きを味わうなら、多分シンキングの適当なルアーを底まで沈めて早巻きすればいいと思う。99%スレ掛かりだけども……。
ちなみに、私はもうセコイ釣りをするのに飽きたので普通にシンキングミノー投げてました……。
現地の人もたまーに掛けてるけど、100%ナマズ。でもなんかブンサムランで釣ったメコンオオナマズやプラ―サワイとはなんか違うような……。
近くの人に聞いてみたところ、ここで釣れるのはメコンオオナマズとはちょっと違う、チャオプラヤキャットフィッシュ。タイの他のナマズと比べて、ヒレが長くて顔が一番宇宙人っぽいナマズ(だと個人的には思ってる。)で、こちらも絶滅危惧種らしい。
突然の新キャラ登場だが、新たな魚種ということでちょっとやる気が出る。ルアーは沈むなら何でも良いようで、誰に釣れるかは完全にロト6状態らしい。
こういう釣りは試行回数を重ねるしかない。昼飯をはさんでMix池で粘ってるとようやく「ヌルっ」とした当たり。地面が動いてるような最初のトルクフルな引きでナマズ系は確信したものの、ここからが長かった……。
まさに一進一退の攻防である。ナマズを狙った初日のブンサムランはメコンオオナマズとの真っ向勝負を予期してゴッツイタックルで挑んでいたから良かったものの、今回はバラマンディやチャド―向けに用意した、「日本基準で強め」くらいの道具立て。タイのナマズ系の魚とガチンコ勝負するにはちょっと弱い。池の周りを歩き回り、15mくらい寄せていくが、少し寄せては次のランで一気にラインを引き出されてしまう。それでもなんとかだましだまし寄せること10分程度。観念した魚はようやく姿を現してくれた。
チャオプラヤキャットフィッシュだ!!!
改めてよくみてみると、本当にヒレが長いだけのプラ―サワイにしか見えない……。
タイのナマズ系共通のひょうきんな顔というプラットフォームを有しつつも、異様に長いヒレ。
日本の魚で例えるなら、メコンオオナマズやらプラ―サワイやらチャオプラヤキャットフィッシュって、姿形は似てるけど住む地域が異なる、日本でいう所のヤマメとアマゴくらいの違いなのだろうと思ったが、調べてみると、メコンオオナマズ、カイヤン(プラ―サワイ)、チャオプラヤキャットフィッシュは3種類共にパンガシウス科ではあるものの、前者2種はパンガシアノドン属なのに対して、チャオプラヤキャットフィッシュだけはパンガシウス属に分類されている。じゃあ具体的に属の違いってそもそもどれくらいの距離感なのというと、カツオとマグロくらい違う。
こんなに似ているのに、ヤマメとイワナ、マグロとカツオくらいの差があると思うとと、魚の学術的な分類というのもなかなか面白いものだ。
そんなこんなで、適度に難しく、適度に釣れるこのPilot111。
また是非リベンジしてみたい釣り場だ。
(次こそはアロワナやらコロソマが釣りたいナ……)