Adrenaline Addiction

東京湾のLTアジから小笠原の遠征ジギングまで。

就活を雑に振り返る

 2019年度の就職活動戦線はおおむね最終局面と言っても差し支えない段階に突入している。

 

 

  今回は、私の就職活動の総括を簡単にしてみたいと思う。

 

 

 巷では、近年稀にみる売り手市場と言われた今年度の就職活動であったが、大体の学生が卒業までに体験する就職活動(ここでは希望する会社の内定を得るための活動を総称して就職活動と呼ぶ)は1回きりであるし、私もその中で運よく希望する企業の一つに引っかかったので「去年よりもどうであった・ああであった」という感想はその道でメシを食っている就活コンサルみたいな人に聞いてほしい。

 

 さて、肝心の感想について述べようと思うが人並みな感想ではあるものの、

 

 「辛いと言えば辛かったし、面白いと言えば面白かった。」というほかにない。

 

 まず、SPI等学科試験の数学ができない。

過去問題集を解いても、なにをしても、どうしてもできないのだ。

(私は中学校3年生の数学の図形証明問題で数学的思考を完全に放棄してしまった)

これが祟って某石油企業の最終面接では「君、学科試験さ、国語はよくできてるけど、数学が、ウフッフ……ダッハ……。」と笑われてしまい、流石に「そうなんですよ~!!いくら頑張ってもテンでだめでして…アッハ……!」という返事をせざるを得なくなってしまった。(ここでテンポを崩し、無事落ちた。)

 

 次に、面接についてだが、私は趣味の関係で年上の人々と話す機会が多く、人と会話することに物怖じしない性格であったこともあり、確かにオッサンらと話すのは嫌いではない。

しかし、嫌いではない、というだけで、別に歳の離れたオッチャンと話すのが特別に好きというわけではないし、アルバイトが元同級生のヤンママやアル中オヤジの相手を笑顔でする仕事だったとはいえ、チラチラチラチラ手元の履歴書に目線を落としながらニヤニヤ品定めしている会社の人事のオッチャンの相手はしたくない。私は香港・旺角のピンポンマンションのねーちゃんではないのだ。

 

しかし、そんなイマイチ冴えないナリのオッチャンの一存に、私の未来が掛かっているのだ。緊張もする。最初期の頃は手汗ビッチャビッチャ、ケツ汗ビッチャビッチャ、顔汗ビッチャビッチャになりながら面接を受け、体の水分と面接通過の手ごたえを同時に失っていた。

(ちなみに、就活を「おはなし楽しい!!!全然辛くない!!!」と語っていた某皇族御用達大学の体育会所属の友人は怒涛の勢いで業界横断的に内定を獲りまくり、最後まで楽しいまま就活が終わったそうだ。)

 

 加えて、人とフランクに話せるとは言っても、私の話し方は典型的なオタク話法だ。1から10まで説明しないと気が済まないし、自分の話の内容を自分の意図しない解釈でとられると気が狂う。あと早口。舌足らずなのに。(ちなみに、これはかなり就活終期まで引きずった私の欠点であり、面接でゆっくり落ち着いて話せた面接は通過、体感的に早口になった面接で落ちる傾向がかなり顕著だった。)

 

 

 

 このように、就職活動は苦難の連続であった。早口やオタク話法など、何とか努力でカバーできるところはなんとかしたが、それでも人並みに辛い経験も積んだし、心はすり減った(ちなみに、新学期が始まるころは過去最高に精神衛生が悪く、毎日蝶野正洋長州力の入場曲を聴いて心を奮い立たせていた。)


蝶野正洋 入場曲


【長州力のテーマ】 パワー・ホール

 しかし、面白い場面もあったことはあった。

 

 「ウチはちょっと給料がね…」と語っていた某金属メーカーの26歳の左腕にロレックス・サブマリーナが付いていて「嘘ついてんじゃねーよ」と思ったり、面接終わった後、会社近くのラーメン屋に並んでいたら、さっきまで話してた面接官と鉢合わせしたり、異常に意気投合した面接官からその場で最終面接案内を受けてみたり(ちなみに、30分間ずっと釣りの話をしていた。)、最初の第一志望の会社に書類サイレントで落ちたり、(まだ連絡待ってるぞ!!!)GWに小笠原で超絶日焼けしてから最終面接行ったら、「なんか君、こないだよりも黒くね?」と初手でツッコまれたり・・・。

 

 

 自分でもなんとかこのイベントを楽しもうと、「ギャンブルはしていない」と性格検査で回答した会社の面接に東京競馬場で買ったノート、メルカリで買ったダービーネクタイで行ってみたり、飲酒した状態で座談会に行ってみたりして面白がっていたので、自分の努力とアイデアでたぶん就職活動はもっと面白いものになるのかもしれない。

 

 

 総括としては、就職活動で自分のアイデンティティも含めた約22年の人生の振り返りが出来た事はいい経験だったのだ、と思いたい。幸運にも私は比較的早期に就職活動を終了できたが、自分の早口も、偏屈さも、就職活動というフィルターを通さないと気づけないものであっただろうし、もしこのフィルターがなければ、気づいても気づかないふりをしていただろう。そして大学4年間を通じて自身の中で増大していた有害な「万能感」や「優越感」も克服することができた。

 

 

 ーこれで良かった。

 (ほんとうのことを言えば、就職活動などに時間を使ってしまったのは大変腹立たしいことなのだが、無理やりにでもそう思ってあげないと、気落ちしてプロレスの入場曲ばかり聴いて面接に向かっていた大学4年生の大切な130日と、リクナビが売ったであろう私の内定辞退率が報われないと思うのだ。)

 

 

 

 

 最後に、就活用のメモ帳に適宜書いていた「気づき」や「学び」をそのまま転載する。来年就活に突入する読者諸氏は参考にして頂けたら、と思う。

 

・少数精鋭って自分で言ってる会社の評判みると、大体現職による「仕事量が多すぎる」「休みが取れない」という愚痴がある。

・自身の欠点欄に「話が長い」って書くと面白がられる。(面接で話を簡潔にまとめられないとマイナスを喰らうけど)

・前髪カチ上げろ。ゆっくり話せ。

・1から10まで話すってよりかは、1と5と9(体感値)くらいまで話して、あとは面接官からのつっこみを待った方がボロが出ない。

・趣味の「どういう所が好きなのか」を明確に。

・リクルーターは担当学生が入社するとインセンティブが入るから、家族持ちの社員が多く来る。

・変な接客バイトの経験はめちゃくちゃ面白がられる。

・動機付けは浅くていいから「なんでウチか」を強調する。

・省庁相手の仕事はめんどい。